お役立ち情報 #65  夏の防災「警戒レベル」と「暑さ指数」をわかりやすく解説

夏の防災「警戒レベル」と「暑さ指数」をわかりやすく解説

来月、9月1日は「防災の日」。
最近の夏、否応なく直面するのが台風と熱中症です。
毎年、地球が少しずつ変化しているのを実感しつつ、未来への静かな恐怖を感じます。

「警戒レベル」と「暑さ指数」が対策への有効な指標ですが、まだ認知度が低いのが課題です。
そこで今回は、「警戒レベル」と「暑さ指数」について、わかりやすく解説いたします。

仕切り線

最近の台風は近海で突然発生したり、意外なところで大きく曲がったりと、進路が読みづらくなっています。
想定外の被害が毎年のように発生しています。

2018年台風24号

2018年台風24号の急な進路変更「台風経路図」(気象庁ホームページより)

予測が難しい台風や突発的に発生する地震など、普段の準備や警戒の必要性を強く感じます。

新しい「警戒レベル」

台風イメージ

昨年(2018年)7月、台風7号と梅雨前線が重なって、西日本を中心に集中豪雨が発生。凶暴な雨雲が日本列島を南から北へ縦走しました。
九州四国から本州へ次々と「大雨特別警報」が発表されて、結果11府県で発表されるという異例な事態となりました。

気象庁は緊急会見を行い、マスメディアで厳重警戒の必要性を報じ、被災地では自治体が避難勧告を発令しましたが、多くの方が避難行動を行わず亡くなられました。

被害規模が大きく、「平成30年7月豪雨」と命名されました。

今年(2019年)3月に内閣府が、住民の誰もがすぐに避難できるように策定したのが「警戒レベルによる避難情報」(「避難勧告等に関するガイドライン」を改定)です。
わかりやすい防災情報を発信することこそ重要だからです。

「自らの命は自らで守る」意識の徹底

「警戒レベル」を使用するのは、洪水、土砂災害、高潮、内水氾濫です。(ちなみに津波では使用しません(注1)
「警戒レベル」は5段階となっています。
各レベルに対応する行動と情報は下表のとおりです。

警戒レベル住民への情報住民がとるべき行動
市町村が発令警戒レベル5災害発生情報
(災害が実際に発生していることを把握した場合に、可能な範囲で発令)
既に災害が発生している状況
命を守るための最善の行動
警戒レベル4避難勧告
避難指示(緊急)(地域の状況に応じて緊急的または重ねて避難を促す場合等)
・指定緊急避難場所等への立退き避難
・立退き避難がかえって命に危険な場合には、近隣の安全な場所への避難や建物内のより安全な部屋への移動
警戒レベル3避難準備
高齢者等避難開始
避難に時間のかかる高齢者等の要配慮者は避難
その他の人は避難の準備をし、自発的に避難
気象庁が発表警戒レベル2注意報ハザードマップ等により災害リスク、避難場所や避難経路、避難のタイミング等の再確認
避難情報の把握手段の再確認・注意など
警戒レベル1警報級の可能性防災気象情報等の最新情報に注意するなど

「警戒レベル3」が発令されたら、高齢者や要配慮者は避難します。他の人は避難の準備を行い、自発的に避難します。

「警戒レベル4」は緊急避難指示のレベルです。例えば、河川だとすぐにでも氾濫しそうな段階です。指定された緊急避難場所への移動がかえって危険な場合は、近隣の安全な場所、または建物内のより安全な場所へ移動します。

「警戒レベル5」は、堤防の決壊や傾斜地の崩壊などが実際に発生している段階です。住民は自分の命を守る最善の行動をとります。

(注1)津波の場合は、気象庁が津波注意報、津波警報、大津波警報を発表します。
また、噴火の場合は、気象庁が噴火警戒レベルを発表します。

注意すべきポイント

従来の考え方では、「避難勧告」の上に「避難指示」があり、段階が分かれていましたが、 今回の改定では、「避難勧告」で全員が避難することになりました。
「避難指示」は「避難勧告」の中に含まれますので、「警戒レベル4」で全員避難と覚え直すことが重要なポイントです。

気象庁の情報を参考にしつつ、市町村からの発令を聞き逃さないようにし、「警戒レベル3」は老人や要介護者、「警戒レベル4」は全員。
まず、これだけをしっかりと記憶しましょう。

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「暑さ指数」のおさらい

暑さ対策

今夏も猛暑日が続いています。9月初め頃までは要注意とのこと、皆さままだまだ油断はできません。十二分にご注意ください。

昨年(2018年)の夏は、国内で観測史上最高の41.1℃が埼玉県熊谷市で観測されました。
岐阜県、高知県、新潟県、東京都、山形県、山梨県、和歌山県、静岡県、愛知県、群馬県、千葉県、愛媛県と軒並み40℃を超えています。

今年は8月4日までで熱中症による救急搬送者数は18,347人。
もはや猛暑とは呼べない危険な気温です。

最近では「暑さ指数(WBGT)」が、熱中症予防に有効です。
「暑さ指数(WBGT)」の運用が始まったのは2006年の「環境省熱中症予防情報サイト」の開設からです。人体への影響が大きい「湿度」「副反射(注2)」「気温」の数値から計測されます。単位は気温と同じ摂氏度(℃)で示されますが、その値は気温とは異なります。

(注2)輻射熱とは、地面や建物・体から出る熱。

日常生活における熱中症予防指針(日本生気象学会より)
暑さ指数
(WBGT)
注意すべき
生活活動の目安
注意事項
危険
31℃以上
すべての生活活動高齢者においては安静状態でも発生する危険性が大きい。
外出はなるべく避け、涼しい室内に移動する。
厳重警戒
28~31℃
外出時は炎天下を避け、室内では室温の上昇に注意する。
警戒
25~28℃
中等度以上の生活運動や激しい作業をする際は定期的に充分に休息を取り入れる。
注意
25℃未満
強い生活活動一般に危険性は少ないが激しい運動や重労働時には発生する危険性がある。
運動に関する熱中症予防指針(日本スポーツ協会「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」より)
暑さ指数
(WBGT)
熱中症予防運動指針
31℃以上運動は原則中止特別の場合以外は運動を中止する。
特に子どもの場合には中止すべき。
28~31℃厳重警戒
(激しい運動は中止)
熱中症の危険性が高いので、激しい運動や持久走など体温が上昇しやすい運動は避ける。
10~20分おきに休憩をとり水分・塩分の補給を行う。
暑さに弱い人※は運動を軽減または中止。
25~28℃警戒
(積極的に休憩)
熱中症の危険が増すので、積極的に休憩をとり適宜、水分・塩分を補給する。
激しい運動では、30分おきくらいに休憩をとる。
21~25℃注意
(積極的に水分補給)
熱中症による死亡事故が発生する可能性がある。
熱中症の兆候に注意するとともに、運動の合間に積極的に水分・塩分を補給する。
21℃未満ほぼ安全
(適宜水分補給)
通常は熱中症の危険は小さいが、適宜水分・塩分の補給は必要である。
市民マラソンなどではこの条件でも熱中症が発生するので注意。
作業者に関する熱中症予防指針(厚生労働省労働基準局「熱中症を防ごう」より)
暑さ指数
(WBGT)
身体作業強度の例
32℃安静安静
29℃低代謝率
  • 楽な座位
  • 軽い手作業(書く、タイピング、縫う、簿記)
  • 手及び腕の作業(点検、組み立てや区分け)
  • 腕と足の作業(乗り物の運転)
  • 立位
  • ドリル(小さい部分)
  • コイル巻き
  • 小さい力の道具の機械
  • ちょっとした歩き(速さ3.5km/h)
26℃中程度代謝率
  • 継続した頭と腕の作業(くぎ打ち、盛土)
  • 腕と脚の作業(トラックのオフロード操縦)
  • 腕と胴体の作業(空気ハンマーの作業、トラクター組立て、しっくい塗り、草むしり、果物や野菜を摘む)
  • 軽量な荷車を押す、引く
  • 3.5~5.5km/hの速さで歩く
  • 鍛造
気流あり
22℃
気流なし
23℃
高代謝率
  • 強度の腕と胴体の作業
  • 重い材料を運ぶ
  • 大ハンマー作業
  • 草刈り
  • 硬い木にかんなをかけたりのみで彫る
  • 5.5~7.5km/hの速さで歩く
  • 重い荷車を押す、引く
  • 鋳物を削る
  • コンクリートブロックを積む
気流あり
18℃
気流なし
20℃
極高代謝率
  • 最大速度の速さでとても激しい活動
  • おのを振るう
  • 激しくシャベルを使う
  • 階段を登る、走る

環境省から提供される「暑さ指数(WBGT)」、気象庁から発表される「高温注意情報」に注意を払って、自ら対策を怠らないように心がけましょう。

今回は、「夏の防災「警戒レベル」と「暑さ指数」をわかりやすく解説いたしました。

当社が提案する「企業の防災マニュアル」

当社では、万が一の発災時に備えて、従業員が迷わず行動し、全員が助かるための「災害時の初動マニュアル」を提案しています。
・社員全員が携帯できる。たたんでお財布にイン。
・最近の事例のようにインフラがシャットダウンし、電気が途絶え、回線が途切れても大丈夫。

企業の防災
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吉田 雅彦

株式会社コーユービジネス 営業企画室

調べて見れば「水害」だけでも色々な状況があります。
海に囲まれて、毎年台風に見舞われる日本ならでは、なのかも。
例えば、こんな言葉の違いをご存知でしたか?

洪水(こうずい)
大雨や雪どけなどで河川から水があふれ出すこと。
氾濫(はんらん)
河川などの水があふれ広がること。
溢水(いっすい)
川などで堤防がないところで水があふれ出ること。
越水(えっすい)
川などで堤防を超えて水があふれ出ること。
浸水(しんすい)
洪水により、住宅などが水に浸かること。
冠水(かんすい)
洪水により、田畑や道路などが水に浸ること。
外水氾濫(がいすいはんらん)
河川の堤防から水が溢れ又は破堤して家屋や田畑が浸水すること。
内水氾濫(ないすいはんらん)
堤防から水が溢れなくても、河川へ排水する川や下水路の排水能力の不足などが原因で、降った雨を排水処理できなくて氾濫すること。