9月1日は「防災の日」でした。
企業にとっての防災は、人命を守ること、周辺住民への避難場所の提供、帰宅難民への対策など、やるべきことはたくさんありますが、事業を継続させることも大きな使命の一つです。
そこで、今回は事業継続をスムーズに行うために「事業継続マニュアル」の作成を試みました。
当社で想定した場合の内容となりますので、それぞれの企業なりのカスタマイズが必要となりますが、ご参考にしていただければ嬉しい限りです。
緊急時に、即座に行動することも難しいことです。まとまりなくバラバラに行動しても意味がありません。社員全員が優先順位を理解して、行動するためにも「事業継続マニュアル」を作っておくべきだと考えました。
項目は、
- 発災状況調査
- 周辺被害状況調査
- 建屋被害状況
- 製品被害状況リスト
- 設備被害リスト
- 資材被害リスト
- 仕入先リスト
- 設備修理依頼先リスト
- 保険情報
といたしました。
BCP発令
実施の手順としては、まず「事業継続に向けて活動を開始するぞ」っていうBCPの発令によって実行されます。発令者は代表取締役社長。副担当の明記も必要です。
BCPの発令は地震などの活動が落ち着いてからの発動となります。
次に二次災害に合わないように常に気をつけます。津波や土砂災害、近隣の火災やガス漏れなどが起きていないかを何度も繰り返して注意します。
周辺被害・建屋被害の状況調査
主にライフラインの状況を確認します。電気・ガス・水道・交通機関、そして生活物資も確認します。
建屋の被害状況を確認する際には、状況によっては倒壊の危険性を常に意識して、無理して調査をしないように心がけましょう。
事業を再開するために安全であることがわかれば、ガラスや塵埃の除去、オフィス事務器の片付けに要する日数の検討をつけておけば、次の段取りに役立ちます。
製品被害・設備被害の調査
製品被害を把握します。完成品、半製品、在庫品の状況に応じて、再製造の優先度が変わってきます。
設備・製造機器・車両などの被害を把握します。機器被害により再製造が困難になることがあります。当社の場合にはセキュリティの空間が保てなくなっても作業ができなくなってしまいます。
製造拠点のバックアップ体制がある場合には、指示書などのデータの速やかな転送により回復措置を早めることができます。
回復方法を合わせて計画し、御得意先様へ報告することになります。
資材被害の調査
事業継続には資材が必要です。在庫資材の被害を把握し、足りない場合は調達予定を計画します。
調達先が被害に遭っている場合がありますから、他から調達できるかどうかなどにも調査の範囲を広げなければいけなくなる場合もあります。
マニュアルの形状へのこだわり
「事業継続マニュアル」を利用するタイミングは発災時です。いつ災害が起きるかわかりませんから、常に身につけておかなければいけません。
会社の中でいつも携帯しているのは、社員証と入退室用のICカードが入ったパスケースです。
このパスケースに入る形状にいたしました。
明日使用するかもしれませんが、長年に亘って保持することになるかもしれません。そこで丈夫な表紙をつけることで長く保持しても大丈夫です。
今から30年以内に50%以上の確率で発生する地震を一覧にまとめ、本ページの最下段に掲載しました。
早く対応することが重要であることがお分かりいただけると思います。
いつか必ず来る災害を、皆様と一緒に乗り越えていけますよう願っています。
河合 壮雄
株式会社コーユービジネス 本社営業部
日本には「困った時はお互い様」という言葉があります。
助け合って生きていくということが身に染み付いている人種です。
台風が発生するとみんなで心配して、
地震が起きると駆けつけて
Jアラートが鳴るとみんなで不安になります。
とても貴重で、大切にしたい文化だと思います。
地域 | 地震 | マグニチュード | 地震発生確率(30年以内) | |
北海道地方 | 千島海溝沿い | 択捉島沖 | 8.1前後 | 70%程度 |
色丹島沖 | 7.8前後 | 60%程度 | ||
根室沖 | 7.9程度 | 60%程度 | ||
十勝沖 | 8.1程度 | 60%程度 | ||
十勝沖・根室沖 | 7.1前後 | 80%程度 | ||
色丹島沖・択捉島沖 | 7.1程度 | 90%程度 | ||
沈み込んだプレート内のやや深い地震 (十勝沖・根室沖・色丹島沖・択捉島沖) | 7.5程度 | 70%程度 | ||
東北地方 | 三陸沖北部 | 繰り返し発生する地震以外の地震 | 7.1~7.6 | 90%程度 |
宮城県沖 | 繰り返し発生する地震以外の地震 | 7.0~7.3 | 60%程度 | |
三陸沖南部海溝寄り | 繰り返し発生する地震以外の地震 | 7.2~7.6 | 50%程度 | |
関東地方 | 三陸沖から房総沖 | 茨城県沖 | 6.9~7.6 | 70%程度 |
繰り返し発生するプレート間地震 | 6.7~7.2 | 90%もしくはそれ以上 | ||
相模トラフ | プレートの沈み込みに伴う地震 | 6.7~7.3 | 70%程度 | |
近畿地方 | 南海トラフ | 南海トラフで発生する地震 | 8~9クラス | 70%程度 |
九州・沖縄地方 | 日向灘および南西諸島海溝周辺 | 日向灘プレート間のひとまわり小さいプレート間地震 | 7.1前後 | 70%~80% |
文部科学省研究開発局地震・防災研究課 地震調査研究推進本部事務局「地震本部」より