お役立ち情報 #46 PDFデータのプリント委託で失敗しない4つのポイント

PDFデータのプリント委託で失敗しない4つのポイント

 

最近では、プリント業務でPDFデータをお預かりすることが増えてきました。

PDFデータはパソコン画面で見えているイメージをそのままプリントできるので、お客様は安心して委託することができます。
プリント中に何かトラブルがあった場合でも、お客様と現場が同じイメージを見ながら打ち合わせができますので、とても便利なデータです。

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ところが、PDFデータには意外な問題も潜んでいます。
安心していてはダメなのです。
そこで、今回は4つのご注意すべき大事なポイントをご紹介いたします。

ポイント①「書体は埋め込み設定!」

お客様が見えているイメージをそのままプリントできると言いましたが、書体に関しては化ける場合があります。
お客様の書体環境とプリント側の書体環境が変われば、文字が置き換わることがあります。
特に特殊な文字を使用していた時は置き換わる可能性が大きいです。

そのトラブルを回避するために、お客様がPDFデータを作成される時に、書体埋め込みをしておくか書体をアウトライン化することを忘れないようにしましょう。
( ※ PDF作成の時にフォント埋め込みをチェックすることで、文字の字形情報をPDF内に持たせることができる機能があります)

ポイント②「容量は2GB以下に!」

インターネットでYOUTUBEなどの動画をご覧になられる時に、ダウンロードゲージが途中でも再生を始めることができますよね。
この転送方法をストリーミング型といいます。でもPDFをご覧になる時はダウンロードが終了しないと開くことができません。
PDFは残念ながらダウンロード型なのです。

PDFデータのファイル容量が大きい場合にはプリンターにデータが完全に取り込まれるまでプリント作業をすることができません。
大きすぎると演算処理に負荷がかかってフリーズしちゃうこともあります。
せっかく高速のプリンターで出力できるのに、取込みにはるかに長い時間がかかってしまって、「もう、なんなのよ」ってことになります。
お客様のプリンターでも、同じ問題が発生します。

この問題を回避するために、大きなデータファイルはいくつかに分けて、一つのファイルを2GB以下にしましょう。これで作業の効率化を図ることができます。

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さらにお願いできるのなら、2GB以下にして頂く時にレコード数を2,000の倍数で納めて頂けると委託先の会社は大変助かります。(2000枚入りの箱の掛け替え作業が効率化できるからです)

ポイント③「名寄せにはバーコードを!」

PDFデータはCSVデータと違って、後からの加工が難しいデータです。
名寄せ作業が必要な時は、あらかじめ名寄せ用のバーコードをつけてください
(名寄せとは、Aさんには請求書は1枚、Bさんには請求書2枚を封筒に入れるような作業のこと)
プリント側のシステムでは同じバーコードIDを抽出し、プリント順位を並べ替えることができます。封入封緘機も同じくバーコードIDを利用して名寄せ封入をいたします。

また、郵便番号区分け(バルク処理)が必要な時は、お客様がデータアウトプットされる時にソート作業をしておくのが良いでしょう

ポイント④「コンビニ用バーコードのご注意!」

コンビニエンスストアでの支払い受付は1987年に東京電力の代理収納をセブンイレブンが行ったのが始まりでした。
今では、ガス、電話、保険、受信料、水道、信販、通販、授業料など多岐の支払いがコンビニで行うことができます。
この業務で使用されているのが、「GS1-128」と呼ばれるバーコードです。

このバーコード44桁固定長で、一般的なJANなどのバーコードに比べてはるかにバーの隙間が狭いのが特徴で、プリントには精度を要します。

バーコードの品質は、

  1. バーの黒色の濃度
  2. 濃度のバラつき
  3. 隣り合う白地との反射率の差
  4. バーの太り細り

それらが総合されて決まります。

 

インクジェット方式のプリンターではインクのにじみに注意しなければいけません。またレーザー方式の場合にはトナーの定着が良い用紙を選定することが大事です。

印刷品質のグレードは次のように評価されBグレードまでが合格となります。

  • グレードA:最高品質。リーダーが1度だけ横切ることにより読み取れる品質。
  • グレードB:ほとんどの場合1回で読めるが、再スキャニングで読み取れる品質。
  • グレードC:再スキャニングの回数を多くすれば読み取れる品質。
  • グレードD:リーダーによっては読み取れないものもある。
  • グレードF:ほとんど読み取ることができない。

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この難しいバーコード「GS1-128」を高品質でプリントするためには、お客様が「GS1-128」を作成される時に以下のことにご注意ください。

 

(委託先の)プリンターがどんな解像度でプリントするかでバーコードの長さの基準が定められています。(一般財団法人 流通システム開発センター「GS1-128による標準料金代理収納ガイドライン」)

解像度 モジュール幅 バーコード
の長さ
左右の余白 全体の長さ
ドット mm
300dpi 2 0.169 48.67mm 2.54mm × 2 53.75mm
400dpi 3 0.190 54.72mm 2.54mm × 2 59.80mm
480dpi 3 0.158 45.50mm 2.54mm × 2 50.58mm
600dpi 4 0.169 48.67mm 2.54mm × 2 53.75mm

仕切り線

PDFは誰もが同じレイアウトで見ることができるとても便利なデータ形式です。
PDFを作成できるソフトもたくさん出てきています。
書き出されたPDFは文字の埋め込み方法が違ったり、カラーの形式や画像の圧縮方法が違ったりします。
無償で利用できるPDFの作成ソフトは、とても魅力的ですが、後工程を視野に入れていないものが多いので、「Adobe Acrobat」の使用を推奨いたします。

 

大庭 克俊

株式会社コーユービジネス 神戸営業所

PDFって、ポータブル・ドキュメント・フォーマットの略なんですって。
3文字の正式名を知っていると自慢できますよね
FTPだとファイル・トランスファー・プロトコル、とかね。
NHKとかね。JRAとかね。AKBとかね。
ん〜違うな。もっと難しくて、かっこいい話にしたかったんだけどな。

Adobe、Acrobat、Adobe Systems. Incorporated(アドビシステムズ社)の商標です。