#17 2014年に見える未来の種

夢のある話から。
今年は宝塚歌劇団の100周年の年です。

阪急電鉄(当時は箕面有馬電気軌道)の創始者、小林一三氏が結成した宝塚唱歌隊が前身です。人気は順調に伸びて、やがて一三氏は宝塚音楽歌劇学校を設立。公演回数も増えて行き、団員数が膨らむと花組と月組に分けました。
テレビの普及により一時期は低迷したこともありましたが、それを復活させたのが、社会現象ともなった「ベルサイユのばら」(初演は1974年)。空前のヒットでしたね。

現在、宝塚歌劇団は花組、月組、雪組、星組、宇組の五つの組で構成されます。

因みに、毎年4月、新入生は入学後、池田市の五月山にある小林一三翁の墓前に詣でて、入学の報告とともに立派な舞台人となることを誓うそうです。

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一方、情報分野では残念なこともあります。
皆様もご存知のように、今年の4月には、Windows XPのサポートが終了されます。サポート終了後、対象となる製品へのセキュリティ更新プログラムの提供が終了します。

2009年4月14日に一度サポートを終了するとのことでしたが、人気のOSでしたので、結果5年あまり延長されたことになりました。
今回はもう延長なしということですね。

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サポートの終了は深刻な問題です。
昨今、世界的に社会問題となっているのがマルウェアと呼ばれる不正なプログラムからの攻撃です。
PCのコードを書き換えながら自己を増殖させていくのがコンピュータウィルス。利用者が知らない間にインストールしてしまうトロイの木馬。そこから侵入経路を開けるバックドア。
マルウェアも様々で、日々進化を遂げて今や不正なプログラムとそれを防止するセキュリティプログラムとの果てしのない戦いを続けているのが、コンピュータ世界の実状です。

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そんな中でのXPのサポートの終了とは武器も持たずに山野を行軍するようなものでしょうか。今までは強盗や山賊が次々新しい武器で攻撃してきても、それに負けない甲冑や盾で攻撃を防いでいましたが、今後は素手で立ち向わねばいけません。勝ち目の無い戦いをすることになってしまいます。
まだ、XPをご使用されている方、素手で山賊と戦いたくないと思われる方は、ぜひ当社にご相談ください。(ちょっと宣伝も交えてみました)

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また、2014年は東京オリンピック開催に向けての7段階の第一ステップです。
開催地である東京は世界中から集まって来る来場者に、日本の技術力を公開するパフォーマンス会場だとも言えます。

日産自動車が「自動運転」の取り組みを発表したのは、昨年の8月28日。
今年は専用テストコースを完成させて、2020年までに「自動運転」を投入するそうです。

車載ナビゲーションに従って、目的地までの道順を車が認識。レーン走行を維持したり、レーンの変更を行ったり、障害物を回避したり。人よりも素早く反応して、複雑な動きを行うことができる衝突防止システムは、最も期待が高まる仕組みです。
何しろ交通事故の大半は人為的ミスが招いていますから。

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映画「トータルリコール」(1990年版)に登場したタクシーは上半身だけのロボットが運転手でした。そんな光景は遠い未来では無くなりました。

2020年、東京。排気ガスもなく空気の澄んだ街に、運転手すら乗っていない静かな電気自動車が選手たちを競技場まで送迎します。

交通事故が激減する理想未来がもうそこまで来ています。

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近未来の話題をもうひとつ。
今、開発競争が激化しているのが「ワイアレス給電技術」。
アメリカでは特許出願数が増えているようで、これが進めば、電気自動車や家電製品から電源コードが無くなります。

コイルを利用して起電力を発生させる「電磁誘導方式」。アンテナを利用して電磁波を送受信する「電波方式」。そして今、技術競争で進化しようとしているのが「電磁界共鳴方式」です。注目されるポイントは「電磁誘導方式」よりも長い距離を伝送できそうだということ。

「ワイアレス給電技術」は、今はまだ電動歯ブラシや電動シェーバーなどで採用されている程度ですが、今後はモバイル機器などへ拡大されます。やがて大型家電や電気自動車などへ利用の範囲が広がって行きます。

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さらに今、発電衛星の研究が進められています。

これは地球の衛星軌道上で太陽光発電を行って、地上に送電するという方法。
大気圏外ですので、大気の状態や天候に左右されること無く、従来よりもはるかに多くの発電量を生み出すことができます。原発のように環境汚染を招くことがありません。太陽光ですので、資源の枯渇を心配する必要が無くなります。
送電の方法はマイクロ波かレーザー光に変換してからの送電となります。

巨大なエネルギーの照射が可能になりますから、軍事利用されないことを願うばかりです。

日本では宇宙航空研究開発機構の総合技術研究本部の研究チームが、2020~2030年の間の実用化を目指しています。

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目の前には増税など厳しい現実もありますが、長期で時代を眺望すれば、技術の革新もやがて現実となっていく時が見えて来るようです。

私たちが、頑張ることを止めない限り、未来は必ず今になります。

すみれの花が咲く春は、確かに近づいているような気がします。