#12 踊る!インドビジネス

2003年に発表された投資家向けレポートで、「BRICs(ブリックス)」という名称が用いられました。
今後50年の経済成長の著しい新興市場として注目すべき4カ国、Brazil(ブラジル)、Russia(ロシア)、India(インド)、China(中国)の頭文字をつなげたものです。

日系企業が低コスト経営モデルとして、この中にある「中国」へ、競うように進出した時世は以外と短命でしたね。
「中国」の次のターゲットとして、多くの企業は「インド」に今熱い視線を注いでいます。

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さて、インドといえば、皆様は何を連想されますか?

近頃、人気が高まっているインド映画をご存知でしょうか。
「マサラムービー」というカテゴリーの作品です。
物語りの途中で、突然大勢のバックダンサーが登場します。その群舞の前で原色のきらびやかな衣装をまとった主役の熟年男性が歌って踊るという熱気みなぎる驚くべき映画です。
大抵は3時間前後の超大作です。

実は、インドは映画の年間制作数と観客動員数が世界一を誇る映画大国。
インドのバイタリティが実感できる、一番のコンテンツが「マサラムービー」なのかも知れませんね。

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インドは世界最大の民主主義国家で、人口は中国に次ぐ世界第2位の12億1千万人(2011年国勢調査(暫定値))。
人口増加率も17.64%(2001-2002年:2011年国勢調査(暫定値))と高く、2035年には中国を追い越す勢いです。
そして、2050年には16億人になるといわれています。

人口構成は典型的なピラミッド型で、人口の50%は25歳以下と、実に若々しい国です。

市場規模もさることながら、インドに注目が集まる理由には、中近東などへのハブ拠点としての戦略的価値もあります。

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インド工科大学は、米国のマサチューセッツ工科大学に並ぶほど優秀。インドでのIT産業の成長はめざましくて、ソフトの開発能力ではすでに日本も太刀打ちできないレベルにあるそうです。
そう言えば、懐かしきベストセラー「零の発見―数学の生い立ち (岩波新書) 」によると、「ゼロ」という概念を発見したのはインドの人でした。数の表記法の原点であり、コンピュータ言語の基礎となる「0」を見いだしたのですから、よって知るべしですね。
恐るべし、インド数学力!

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インド政府は「デリー・ムンバイ間産業大動脈構想」を推進しようとしています。
首都ニューデリーと商都ムンバイの間に製造業を集める「産業ベルト地帯」を整備するという構想です。2016年までに約11兆80億円が投じられる計画で、日本政府は約1兆2,235億円を投資するそうです。
産業構造の変化で農業の比率が下がった分、その従事者を製造業で吸収しようという計画。

これに伴って、開発が進んでいる新興都市が「グルガオン」。
日系企業も多く、スズキ、ホンダ、日立金属、旭硝子、キヤノンなど、40社以上の企業が進出しています。
家賃がニューデリーの約半分。ベッドタウンとして中産階級の人や日本人駐在員も多く住んでいます。工業建設用の広い土地があって、さらに日系企業の進出が増えそうです。

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インド人が英語が堪能なこともビジネスにとっては優位です。
1857年のセポイの乱で、イギリス王室の支配下になって、英語が公用語となりました。その後、独立運動で準公用語となったことから、今の中産階級以上が、英語のネイティブスピーカーです。
英語の会話能力は、海外からの企業誘致に有利で、技術吸収にも優れて、ビジネスの巾が広がります。
例えば、アメリカの電気製品メーカーがカスタマーセンターをインドのコールセンターで運用しているといったことが起こっています。

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在インド日本国大使館の資料によると、(2012年10月1日現在)
全インドにおける日系企業の数は、926社。これは昨年の812社から114社の増加(14.0%増)。
全インドにおける日系企業の拠点数の合計は1804拠点。昨年の1422拠点から382拠点の増加(26.8%増)。
新たに進出した日系企業は例年並みの高い増加率を示していますし、既に進出した企業がさらに高い増加率で拠点数を増やしています。

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インドビジネスに向けての問題点も少なからずあります。
労働者とのコミュニケーション、
インフラ整備の状況、
複雑な税制に伴う税務コスト、
カースト制度などが問題として挙げられています。
インドでのビジネスの創業には、まだ予想外の苦労もあるようです。

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インドは親日的な国です。
毎年8月6日(広島の原爆記念日)に国会が会期中の際は黙祷を捧げて頂いているそうです。そんな事実を何人の日本人が知っているのでしょうか?
昨年の4月は日印国交樹立60周年の年でした。
ますます、良い関係を築いて行けたらと願います。

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当社、株式会社コーユービジネスはインドの企業・サンライズ社と業務提携をしています。
日本で受けた動画制作の高度な編集部分をサンライズ社が担当しています。
映像文化に慣れ親しんだプログラマーたちがムービー制作に携わることで、クオリティの高い作品に仕上がります。しかも、多言語への強みを生かして、制作と同時に翻訳音声を入れることも容易に行っています。
海外に進出しようとする企業に利用価値の高い動画ツールとして活用して頂いています。

また、インドへのビジネス展開の橋渡しもサンライズ社は秀でていますので、ご相談をお受けすることができます。
どんなことでもお気軽にお声をおかけください。

ワールドビジネスにおいて、インドはますます熱い国になりそうです。