#23 「トレンドカラーのおはなし」 〜今年は何色?〜
※本記事は、2014年当時に配信したメールマガジンを、ホームページ掲載用に一部表現を整えたものです。
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「色」にちなんだクイズから始めましょう。
少し難しいかもしれません。
ヒント1「東京」。
ヒント2「青色、赤色、黄色、白色、黒色の5色」。
ヒント3「黒と白はなじみがあり、黄は複数あります」。
この3つのヒントから導き出される答えは何でしょうか。
答えは文末でご紹介します。
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「今年の流行色は○○色」という言葉を耳にすることがあります。
あれは、誰がどのように決めているのでしょうか。
統計調査でもしている人がいるのだろうかと、何気なく思っていました。
もし誰かが感覚だけで決めていて、世の中がそれに動かされているのだとしたら、少し不思議な気もします。
流行する色を予測するというのは、天気予報よりも難度の高いスキルなのかもしれません。
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さて、調べてみましたら、インターカラー、国際流行色委員会(INTERNATIONAL COMMISSION FOR COLOR)という国際的な機関が存在することが分かりました。
パリに本部があり、年に2回、2年先の流行色を提案しているそうです。
年に2回というのは、1月と7月。春夏用の色と秋冬用の色を分けているのですね。
今年で51年目だそうで、半世紀にわたって活動してきたことになります。
流行色が決まるまでには、一定の流れがあるようです。
まず、2年前に会議を行います。
つまり、毎年会議をしているわけですね。
インターカラーには、発起国である日本、フランス、スイスをはじめ、世界の14カ国が加盟しています。
日本からは、一般社団法人 日本流行色協会、JAFCAが参加しています。
まず、各国が提案色を持ち寄ります。
生活意識の変化やテイストは国ごとに異なりますから、この段階でもかなり幅広い意見が出るのではないかと想像します。
文化的に赤が重視される地域もあれば、鮮やかな色彩文化を持つ地域もあります。
風土が違えば、色彩感覚も国によって違ってきます。
太陽の角度が、その国の色彩感覚に影響するともいわれています。
可視光線を受け取る瞳にある受容体の傾向が変わるからです。
赤道に近い地域では、ビビッドトーンに敏感になり、原色に近い色が好まれやすいとも考えられます。
一方、北極圏に近い地域であれば、白にもさまざまなニュアンスが見いだされるのかもしれません。
ひとことで「白」といっても、すっきりとした白、透明感のある白、温かみのある白など、その感じ方は多様です。
つまり、流行色を国際的に考えるには、色彩感覚の近さや、文化的背景の違いも踏まえる必要があるということなのでしょう。
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インターカラーで協議して決める段階は、まだ方向性の段階です。
次の時代のムードを予測し、イメージとカラーサンプルで表現されたものを決定するそうです。
それを各国の専門機関が持ち帰ります。
日本であれば、一般社団法人 日本流行色協会、JAFCAです。
実シーズンの1年半くらい前に、各社から集まった専門委員とともに、日本国内市場向けのJAFCAカラーを選定します。
1年くらい前になると、各メーカーが商品企画を開始し、デザイナーズコレクションが世界で開催されます。
各メディアがその動向を見て、今年の流行色を発信します。
一般の人にカラー情報が届くのは、実シーズンの半年前くらいです。
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JAFCAが選んだ日本の2014年秋冬レディースカラーは、3つあります。
消え入るような
柔らかな色彩に、白やグレーといったニュートラルカラーを加えたような優しい色。
夜想曲
やや明度を上げたダークカラー。ベージュや光沢感で変化を付け、エレガントな雰囲気を表現する色。
速く活発なテンポ
ビビッドからストロングトーンに、ゴールドなどでコントラストを効かせたボヘミアンテイスト、またはロックテイストの色。
とまあ、文字だけ読んでも、あまりイメージできないかもしれませんね。
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インターカラーとは違って、独自の路線を進めているのが、アメリカのPantone社です。
Pantone社のスタートは、1963年に印刷やプロダクト用に開発された、色を指定するための仕組み、つまり色見本帳でした。
2000年から、ファッションを中心としたトレンドカラーブック「パントン・ビュー・カラープランナー」の発刊を始めます。
2004年には、中国テキスタイル情報センターがPantoneと提携し、中国の国家的カラーシステム構築を開始します。
2007年には、ソフトバンクモバイル株式会社がPantoneとコラボレーションし、PANTONEケータイを発売しています。
コマーシャルなどで目にされた方も多いのではないでしょうか。
そんなPantone社は、毎年トレンドカラー「The Color of the Year」を発表しており、ファッション界のみならず、インテリア業界などからも注目されています。
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2014年にPantone社が選んだ流行色は、「ラディアント・オーキッド(Radiant Orchid)」でした。
アカバナ科の植物フクシアをイメージした色で、ピンクとパープルが調和したカラーです。
喜びや愛情、健康を感じさせる色と説明されています。
また、Radiant Orchidは、色相環の中でも目を引き、想像力をかき立てる色であり、現代においてますます価値が高まるクリエイティビティやオリジナリティの拡大を促す色だとされています。
Pantone社が独自の視点で世界へトレンドカラーを発信している点も、興味深いところです。
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トレンドカラーや流行色は、高度成長期の大量消費の時代の名残のようにも感じられます。
最も活用していたのは、実は衣料メーカー側だったのかもしれません。
消費者の好みをある程度方向づけることで、商品企画をしやすくし、不良在庫を抑えることにもつながったのではないでしょうか。
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「いろはにほへとちりぬるを」。
色は鮮やかでも、やがて散ってしまうもの。
浅き夢の時代は、少しずつ終わりを迎えているのかもしれません。
消費者も色々ならば、人生も色々です。
それぞれが、自分らしい色を見つけていく時代になりました。
自分の価値観で色を選び、自分の感性で暮らしを組み立てる。
そうした時代において、製造側にとってはリスクが増え、より難しい状況になったようにも思えます。
少し真面目な話になってしまいました。
色の話題は、やはり奥が深いですね。
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では、クイズの解答です。
答えは「不動尊」です。
少し難問でしたでしょうか。
目白不動尊、目赤不動尊、目黒不動尊、目青不動尊、目黄不動尊。
これらの各不動尊は、江戸五色不動と呼ばれています。
江戸幕府3代将軍・徳川家光が、大僧正・天海の建言により、江戸府内から5カ所の不動尊を選び、天下太平を祈願したことに由来するといわれています。
目白と目黒は、地名としてもよく知られていますね。
目黄不動尊は、数カ所存在するそうです。
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