#6 竜巻の防災にZ-CARD™は有効か?

今年5月、茨城県つくば市や栃木県の数カ所で竜巻が発生。巨大な竜巻が住宅地を襲う光景がテレビなどで報道され、「これは日本で起きていることなのか?」と、たくさんの方がその映像に驚愕されたのではないでしょうか?

竜巻は近年、目立って増加し、被害も大きくなっているように感じます。つくば市などが襲われた時の建物被害は2,200棟近くに及んだそうです。

携帯電話やデジタルカメラなど撮影・記録できる機器の普及で、目にする機会が増えたために増加しているかのように思えるだけだという見解もあります。それに反して、地球温暖化で大気中の水蒸気が増えたために積乱雲の発生が増加して、竜巻が発生しやすくなっている、今後もさらに増えるだろうと分析する学者もおられます。

竜巻が発生する原因は、寒気と暖気が衝突する前線に沿って対流性の降雨が多いこと。低気圧と高気圧の交互通過などで気流が回転しやすくなること、だそうです。まさに日本はその条件に当てはまってきているようですね。
恐怖や危機意識が表面化されてきたことから、今後の対策が必要となるわけですが、まだ具体的な防災マニュアル等が出てきていないのが現状です。

Z-CARD™は地震などのツールとして役立ってきました。同様に竜巻防災としてのZ-CARD™は有効なのでしょうか?

防災には効果的なコンテンツのパターンがあります。
災害のメカニズムを知り、興味を喚起する。
過去の事例を見ることで怖さを追体験し、防災の必要性を実感する。
適切な防災対策を学び準備する。
危険性の高い場所を知る。
発災時に迷わず行動できるようにしておく。
Z-CARD™はこれらの記載項目に則して作成されてきました。
竜巻の場合の一番の問題は最近研究され始めた分野であり、1990年以前の確認できる資料が不十分なため、そのメカニズムが十分解明されていないこと、予測の方法がまだまだ確立できていないことです。

気象庁では竜巻発生確度ナウキャストで竜巻発生の高い地域を発表しています。また、観測体制を強化するために「気象ドップラーレーダー」という装置を配備しています。これは風に流される降水粒子から反射される電波を測定できます。近づく速度が早い粒子と遠ざかる速度が早い粒子が近接している時に渦が存在することになります。

こうした最新機器を使用しても現在の捕捉率は22%だそうで、最も効果的なのは個人の注意力ということになります。

発達した積乱雲の近づく兆しとして、
真っ黒い雲が近づき、周囲が急に暗くなる。
雷鳴が聞こえたり、雷光が見えたりする。
ヒヤリとした冷たい風が吹き始める。
大粒の雨や雹(ひょう)が降り出す。

さらに、竜巻が迫ってきた時には
雲の底から地上に伸びる漏斗状の雲が見える。
飛散物が筒状に舞い上がるのを見る。
ゴーという音が聞こえる。
気圧の変化で耳に異常を感じる。
こうした注意を「普段から喚起する」という目的には、Z-CARD™が最適だと思います。