それは、今日と同じような蒸し暑い夏の夕暮れのことでした。
挨拶状の宛名プリントを任されて、出力される用紙を何気に眺めていました。
ひやりとした空気を感じて、ふと目を落とすと、挨拶状の紙面にそいつが出ていました。つ、ついに、「お化け」を見てしまったのです。
納涼バージョンで始めてみましたが、要は「プリント文字が化ける」というお話です。
お化けの原因は恨みや辛みと決まっていますが、どっこいプリント文字の原因は色々です。
例えば、「Shift_JIS(シフトジス)」のデータを受け取った後で「UTF-8(ユーティーエフエイト)」で開いたら文字が化けた、というような文字コードが原因となること、などなど。
さて今回は、これらの文字コードの基本となります漢字コードについてお話しします。
12年前ですから、ちょっと古くて恐縮ですが、2004年に経済産業省が「JIS漢字コード表の改正」を行いました。実は、その影響が現在のPC利用者に対して、今だに危険なトラップとなっています。
常用漢字ではないけれど頻繁に使用されている漢字の字体を国語審議会が決めたのが「印刷標準漢字字体」。経済産業省はこの字体と整合させるために改正を行ったのです。そして、「JIS X 0213:2004」という漢字コード表が生まれました。
結果的に168文字の字形が変更されました。よく見れば、「葛」の下部の「ヒ」が「入」に。「逢」や「辻」や「迄」のシンニョウの最初の点が一つから二つになっているなど、部首の形が変更されています。
翌年2005年に発売されたWindows Vista®から標準で搭載される日本語フォントがこの漢字コードに対応しました。
これより前の「JIS X 0213:2000」と字形が変わることになりました。
お客様のお名前をプリントする時に、字形が変わってしまうというのは、なかなか容認されにくいことです。
[JISX 0213:2004で例示字形に変更があった文字は以下の168文字です]
[ご対応策]
制作した側とプリントする側で、同じフォントを搭載したPCを使用すると安全にプリントできます。一般企業では、フォントの種類やバージョン違いのPCを準備するのが大変ですので、ご信頼できるプリント業者へ依頼するのが最良策だと思われます。
[プリント業者へ依頼する際のご注意点]
次の3点を業者へご連絡してください。
- OSのバージョン情報
- ご利用されているフォントの種類
- ご利用されているフォントのバージョン情報(※1)
(※1)フォントの確認方法〈Windowsの場合〉
- 「C:\Windows\fonts」のディレクトリを開く。
- バージョンを確認したいフォントをダブルクリック。
- フォントが表示され、上部にバージョンが確認できます。
当社の場合は、フォントやOSが異なるPCを複数台設置しておりますので、お客様と同環境でのプリント作業を実現できるように努めております。
お気軽にご相談ください。
今回は、「漢字コードによる文字化け」という情報を案内させていただきました。
森脇 裕之
株式会社コーユービジネス 本社営業部
営業は汗を流し、靴を減らして、皆様のお役に立つ事だと思っています。お役に立つ情報を提供すべく、日々炎天下での営業活動を頑張っています。今回の情報を有益に感じて頂ければ、こんな嬉しいことはございません。
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