#25「2015年には何があるのだろう?」− 今年を勝ち抜くヒントを求めて −

昨年は、あちらこちらで「少しも寒くないわ〜」と年齢性別問わず、歌っている声が聞こえていましたが、やっぱり年の瀬は寒かったですよね。
「少しも寒くはない、なんてことないわ〜」と歌い返したいくらいでした。メンタルがもう少し強かったらですけど。

昨年12月の衆議院議院総選挙では、平均投票率が59.32%と前回の69.28%に比べて9.96ポイントも低く、寒い結果に終わりました。基本的に高いといわれている60歳代の方々の投票率低下も大きな要因でした。年末の慌ただしい時期でしたからね。凍える手で年賀状も書かないといけないし、日本海側では積雪が多かったこともあって、投票所に行けなかった方も多かったでしょうし。
とはいえ、こうなったら経済政策による成長戦略にわずかばかりの期待はしているのですが、庶民レベルで実感できる経済回復は、まだまだ先に延びるのでしょうか。

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そうそう、「延びる」と言えば、北陸新幹線。
今年の3月には長野から富山を経由して金沢まで延びます。東京から金沢までが2時間28分。ビジネスで日帰りができる距離です。東京の企業が商圏として狙えるエリアになりますね。

福井県は昔から関西圏と仲が良かった地域です。若狭小浜で陸揚げした鯖を京都や滋賀へ運ぶための経路が幾つもありました。滋賀の朽木村(くつきむら)を通って、出町柳に至る「若狭街道」。最短ルートの「針畑越え」。峠を幾つも越えて「鞍馬街道」へ至る路もあれば、名田庄の堀越峠などを経て高尾に出る「周山街道」もありました。

また、若狭小浜市の若狭神宮寺から奈良の東大寺の閼伽井屋(あかいや)という井戸に水を送る「お水取り」という神事もありますから、古くから関西とのつながりがあることが分かります。

少し前までは、富山のテレビには関西ローカルが流れていましたので、子供たちは関西の子供たちと同じように土曜日のお昼は家に急いで帰って、吉本新喜劇を見ていたと言います。笑いのセンスは関西なみに磨かれているに違いありません。幼少の頃から、あのオープニングの軽妙なメロディーを聴くと心が沸き立つように刷り込まれている者同士、福井と関西は気が合わないわけがありませんよね。

関西に住んでいる者からしますと、北陸新幹線のおかげで富山県民を関東に取られてしまうような気がして、少しばかり残念な気もします。こんな小さなことを言っていてはいけませんけどね。もっと大きく構えて、どうぞ関東の方も若狭の鯖を召し上がってくださいって言わなきゃ。
交通の変化から、人口流動とともにまた新たな流通が生まれて、地方活性化の一助となればいいですよね。

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「流通」といえば、セブンイレブンが今年の秋頃から本格的に展開するのが「オムニチャネル戦略」。オムニチャネルというのは場所を問わず、どんな所でも販売拠点にすることだそうです。
店員が商品情報と在庫情報を確認できるようにモバイル端末を持って、お客様のご自宅へ訪問して、商品を提示します。高齢者への対応、赤ちゃんを連れたお母さんへの対応が可能になります。昔、よく裏口へやってきた酒屋さんのような御用聞きのイメージですね。
ローソンも同様にアマゾンと競合して、品揃えを完備して御用聞きサービスを本格的に始めるようです。

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「ローソン」といえば、今年で創業40周年を迎えます。第一号店は大阪府豊中市の桜塚店でした。今年は大手企業の周年行事の多い年になります。
170周年:日本紙パルプ商事
140周年:島津製作所
130周年:日本郵船、明治屋
120周年:松竹、博報堂
110周年:ホーユー、日本旅行
100周年:島根銀行、ヤナセ
90周年:シヤチハタ、雪印メグミルク、野村ホールディングス
80周年:コスモ石油販売、富士通、デサント
50周年:綜合警備保障
40周年:ローソン

周年行事には、ネーミングやキャッチフレーズをリニューアルして、ブランド強化を図ったり、新業務が立ち上がったりします。そんな企画合戦はかなり前から始まっているのでしょうね。

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「始まる」といえば、京都の嵐山にアメリカのスターウッド・ホテルの最高級ブランド「ラグジュアリーコレクション」がオープンする予定です。スターウッド・ホテルはシェラトン・ホテルズなどのホテルブランドを運営する企業です。来年(2016年)には「フォーシーズンズホテル京都」のオープン予定もあります。
また、世界的リゾートホテルの「アマン」を金閣寺裏手の洛北エリアに建てる計画も進行しているようです。
昨年(2014年)に「ザ・リッツカールトン京都」がオープンしてから、外資系の高級ホテルが次々と開業します。

京都市は世界的に知名度の高いホテルを誘致して、外国人宿泊者数を増加させて、観光消費額を現状の年間約7,000億円から1兆円に引き上げることを目標にしています。

日本政府は訪日外客数を2030年には3,000万人にする目標を掲げていますが、公益財団法人日本交通公社は2,440万人になる見通しを昨年12月に発表しました。
減少する原因は、アジア内で旅行者の奪い合いが起きていること。韓国や台湾ではビザ緩和策を積極化しています。2012年の段階で韓国は日本を上回っていて、特に中国人客では、韓国は260万8,000人、日本は142万5,000人という結果でした。

旅行者が個人旅行へシフトしつつあることから、今後はリピーター向け企画と個人旅行向け施策が必要となってきます。
韓国もなかなか手強いです、恐るべし韓国ですね。

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「恐ろしい」と言えば、東京にいる本稿の記事監督長で、もっと面白くしろ〜!と毎回…。

じゃなくて、恐ろしいと言えば、昨今は妖怪ブームが再来していますが、昨年の「妖怪ウォッチ」はその頂点に達したかのようでした。これが出てきて、キャラクター界では、急に猫の人口密度(猫密度かな?)が増えたような感じ。

「妖怪ウォッチ」は最初、ニンテンドー3DS用のゲームソフトでした。メディアでのタイアップは、主に小学館の「コロコロコミック」と「ちゃお」。
昨年からテレビアニメとなって、「よ〜出る」ようになりましたね。
放送局は「ポケットモンスター」と同じテレビ東京。昨年11月に発表されたテレビ東京ホールディングスの業績は予想を大きく上回る増収増益でした。テレビ業界で、一人勝ち状態。アニメのコンテンツにとても強い局ですね。
「妖怪ウォッチ」はこうして、うまくクロスメディアに、乗り移っています。恐ろしいですね。もしかしたら、今年あたり世界的なブームに化けちゃうかもしれませんね。

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さて、今年は戦後70年という節目の年です。
水素で走る車や人口知能を備えたヒト型ロボット、スマホで操作できる掃除機、様々なウェアラブル製品、4Kならぬ8Kスーパーハイビジョンなど、経験したことのないモノたちが登場するようです。

かつての夢や未来が現実となっていく世界、その大舞台の幕が今開かれようとしています。

では、ご一緒に「未来との遭遇」を愉しみましょう。