可変印刷(バリアブル印刷)とは? 仕組みと活用事例をわかりやすく解説
可変印刷とは、宛名や番号、文章、画像、二次元コードなどを、一枚ごとに変えて印刷する方法です。
身近な例としては、はがきや封筒の宛名印字があります。さらに、会員ランクに合わせて案内内容を変えたり、利用者ごとに異なるクーポンや二次元コードを掲載したりと、さまざまな印刷物に活用できます。
すべての人へ同じ内容を届けるのではなく、登録情報や利用状況に応じて、相手に合った内容を印刷できる点が大きな特徴です。
通知書や請求書など、個別の情報を届ける印刷物だけでなく、ダイレクトメール、チケット、会員カード、商品案内など、販売促進や会員サービスにも利用されています。
今回は、可変印刷の仕組みやメリット、通常印刷との違い、ビジネスでの活用例、紙とWebを組み合わせた使い方をご紹介します。
可変印刷(バリアブル印刷)とは
共通のデザインに、相手ごとの情報を組み合わせて印刷します
可変印刷は「バリアブル印刷」とも呼ばれます。印刷物のレイアウトや背景は共通のまま、宛名、会員番号、利用金額、期限、商品画像などを一枚ずつ差し替えられる印刷方法です。
たとえば、同じキャンペーンのダイレクトメールでも、会員ランクによって掲載する特典を変えたり、最寄り店舗に合わせて地図や連絡先を変えたりできます。
一枚ずつ内容が異なる印刷物をまとめて作成できるため、数百件、数千件といった件数でも、顧客や利用者ごとに必要な情報を届けられます。
宛名だけを変えるシンプルな使い方から、文章、画像、クーポン、二次元コードまで変える使い方へ広げられます。
すべてを一人ひとり変える必要はありません
地域、年代、会員ランク、契約内容など、一定のグループごとに内容を変える方法もあります。
たとえば、一般会員と上位会員で特典内容を変える、地域ごとに店舗情報を変える、購入商品ごとに案内する関連商品を変えるといった使い方です。
「同じ印刷物を全員へ送る」のではなく、「同じ企画の中で、相手に合った情報を届ける」ために使えるのが可変印刷です。
通常印刷と可変印刷の違い
全員に同じ内容を届けるか、相手に合わせて内容を変えるかが大きな違いです
通常印刷は、すべての印刷物に同じ内容を印刷します。会社案内、商品カタログ、配布用チラシなど、共通の情報を多くの人へ届ける場合に適しています。
可変印刷は、基本となるデザインを共通にしながら、一部の内容を相手ごとに変えます。宛名や番号だけでなく、案内文や画像まで変えられるため、通知物と販促物のどちらにも活用できます。
通常印刷
すべて同じ内容を印刷します。共通チラシ、パンフレット、冊子、会社案内などに向いています。
- すべての人へ同じ情報を届ける
- 共通する商品やサービスを紹介する
- 店舗やイベント会場で広く配布する
可変印刷
宛名、番号、文章、画像などを相手ごとに変えます。通知書、DM、チケット、カードなどに向いています。
- 個別の契約情報や利用情報を届ける
- 顧客の属性に合わせて案内を変える
- 一件ごとに異なる番号やコードを印刷する
共通部分はそのままに、必要な部分だけを変えられます
可変印刷では、紙面のすべてを一件ごとに変える必要はありません。商品説明や注意事項などは共通のまま、宛名、特典、担当店舗など、必要な部分だけを差し替えられます。
デザインの統一感を保ちながら、受け取る人に関係する情報を加えられるため、通知物にも販促物にも取り入れやすい方法です。
可変印刷を活用するメリット
相手に合わせた情報を、まとまった件数でも効率よく届けられます
可変印刷のメリットは、単に宛名を変えられることだけではありません。顧客情報や契約情報を活用し、印刷物の内容やWebへの導線を相手に合わせられます。
必要な情報を選んで届けられる
購入履歴、契約内容、会員ランク、地域などに合わせて、案内文や掲載商品を変更できます。
複数パターンをまとめて作成できる
地域別、店舗別、会員区分別など、複数の原稿を個別に作るのではなく、共通デザインをもとに展開できます。
紙からWeb上の行動へつなげられる
対象者やキャンペーンごとに二次元コードを変え、申込、予約、回答、購入などへ案内できます。
印刷後の工程と組み合わせやすい
宛名印字後の折り、圧着、封入封緘、仕分け、発送まで、印刷物の用途に合わせて進められます。
可変項目が増えるほど、使用するデータや原稿の準備も増えます。最初は宛名、番号、店舗情報など、管理しやすい項目から始める方法もあります。
可変印刷では何を変えられるのか
文字だけでなく、画像や二次元コードも一枚ごとに変更できます
可変印刷で変更できる内容は、氏名や住所だけではありません。印刷物の目的やお持ちのデータに応じて、さまざまな情報を組み合わせられます。
宛名・住所
氏名、会社名、部署名、郵便番号、住所などを送付先ごとに変更します。
番号・金額・期限
会員番号、受付番号、契約番号、請求金額、保有ポイント、有効期限などを印刷します。
案内文・メッセージ
顧客の属性、契約状況、利用内容などに合わせて、見出しや本文を変更します。
商品・サービス画像
購入履歴や関心のある商品に合わせて、掲載する写真やイラストを変更します。
店舗・担当者情報
最寄り店舗の住所、地図、営業時間、電話番号、担当者名などを変更します。
二次元コード・URL
申込ページ、予約ページ、アンケート、マイページなどへの導線を一件ごとに変更します。
印刷物に掲載したい情報がデータとして用意されていれば、複数の項目を組み合わせて変更することもできます。
可変印刷の主な活用例
通知物から販促ツール、各種カードまで幅広く使えます
可変印刷は、個別の情報を届ける業務用の印刷物と、相手に合わせて内容を変えたい販促物のどちらにも活用できます。
通知書・請求書・明細書
氏名、住所、請求金額、利用明細、支払期限、問い合わせ番号などを一件ごとに印刷します。
活用シーン 月ごとに請求額が変わる利用料金の案内や、契約プラン別の更新通知などに利用できます。
- 契約内容に応じて案内文を変更する
- 利用者ごとに請求金額や明細を掲載する
- 担当窓口や問い合わせ先を変更する
ダイレクトメール
氏名、担当店舗、保有ポイント、会員ランク、商品画像、案内文などを変えられます。
活用シーン 休眠顧客には再来店特典、既存顧客には関連商品を案内するなど、送付対象に合わせて訴求を変えられます。
- 会員ランク別に特典を変更する
- 購入履歴に合わせて商品を紹介する
- 地域ごとに店舗情報や地図を変える
チケット・クーポン・抽選券
座席番号、整理番号、利用期限、個別の二次元コードなどを印刷します。
活用シーン 複数会場や時間帯に分かれるイベントで、来場者ごとに会場・時間・座席を印刷できます。
- 来場者ごとに座席番号を印刷する
- クーポンごとに異なる番号を付ける
- キャンペーン応募用コードを掲載する
会員カード・診察券・社員証
氏名、会員番号、顧客番号、有効期限、所属、顔写真、二次元コードなどを個別に印刷します。
活用シーン 更新時期が異なる会員カードや、所属・権限ごとに表示内容を変える社員証に利用できます。
- 会員情報や有効期限を掲載する
- 顔写真や所属部署を変更する
- 会員ページへの二次元コードを掲載する
受験票・受講票
受験者名、開催日時、会場、受付番号、受講コースなどを個別に印刷します。
活用シーン 試験会場や受講コースが複数ある場合に、申込内容に合わせた案内を一括で作成できます。
- 申込内容に合わせて会場を変更する
- 参加者ごとに受付番号を掲載する
- 受講コースごとに案内文を変える
商品案内チラシ・はがき
顧客ごとにおすすめ商品、契約価格、担当者、店舗情報などを変えられます。
活用シーン 取引条件や担当営業が異なる法人顧客へ、価格や問い合わせ先を変えた商品案内を送れます。
- 取引先ごとに掲載価格を変更する
- 営業先に合わせて商品を入れ替える
- 担当営業の連絡先を掲載する
業種・目的別の可変印刷活用イメージ
業種ごとの課題や届けたい情報に合わせて活用できます
可変印刷は、特定の印刷物だけに使われる方法ではありません。顧客情報、契約情報、会員情報、申込情報などを活用し、業種ごとの案内や販促に取り入れられます。
会員の再来店を促す
会員ランク、保有ポイント、購入履歴に合わせて、商品案内や特典内容を変更します。
DM/クーポン/ポイント案内契約や更新情報を知らせる
契約番号、契約内容、更新日、担当窓口などを反映し、利用者ごとに必要な情報を届けます。
契約通知/更新案内/利用明細予約や会員情報を案内する
患者番号、氏名、予約日時、受診科、施設情報などをカードや案内状へ印刷します。
診察券/予約案内/利用者カード申込内容に合わせて案内する
受験者名、講座名、教室、日時、受験番号などを個別に印刷し、複数会場の案内にも対応します。
受験票/受講票/試験案内受付や入場をわかりやすくする
来場者名、座席番号、入場時間、個別コードなどを印刷し、受付や入場案内に活用します。
入場券/座席券/抽選券対象者ごとの通知を送る
宛名、通知内容、金額、期限、問い合わせ先などを対象者ごとに印刷します。
各種通知/納付書/申請案内可変印刷とWebを組み合わせる活用方法
印刷物からWebページへ案内することで、その後の行動につなげられます
可変印刷では、対象者やキャンペーンごとに異なる二次元コードやURLを掲載できます。印刷物を見てもらうだけでなく、申込、予約、回答、購入などのWeb上の行動へつなげられます。
印刷物とWebの役割を分ける
宛名、特典、期限、おすすめ商品など、まず見てもらいたい情報を掲載します。
相手に合わせたページやフォームへ案内し、詳しい情報を確認してもらいます。
購入、申込、来店予約、アンケート回答など、次の行動につなげます。
印刷物には要点を掲載し、詳しい情報や申込手続きはWebへ案内すると、紙面を見やすく保ちながら多くの情報を届けられます。
可変印刷を依頼する前に確認したいこと
完成した印刷データがなくても、用途と変えたい内容から検討できます
可変印刷を相談するときは、作りたい印刷物と、一件ごとに変えたい情報がわかると、仕様を検討しやすくなります。
ExcelやCSVなどのデータがすでにある場合は、項目名やサンプルを確認します。データ作成前の場合は、どの情報を用意する必要があるかを先に決めます。
作りたい印刷物
DM、通知書、チケット、会員カードなど、印刷物の種類と使用目的を確認します。
変えたい情報
宛名、番号、金額、文章、画像、二次元コードなど、変更したい項目を確認します。
元になるデータ
Excel、CSV、画像ファイルなど、印刷物へ反映するデータの種類と項目を確認します。
部数・納期・後工程
印刷部数、希望納期、折り、圧着、封入封緘、発送の有無を確認します。
現在使用している印刷物やデータのサンプルがあれば、可変にできる部分を検討しやすくなります。
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