専門用語集
ここでは、初めての方にも分かりやすく解説いたします。
ま
- マスク
「mask」の語源は、アラビア語の「maskharah」で、意味は「道化者」。
イタリアで、「maschera」(覆う)となり、
英語圏で、「mascara」そして「mask」と語記変換しました。日本で予防用マスクが定着したのは、大正8年にインフルエンザが大流行したのがきっかけだとか。
印刷の世界では、原版フィルムに加工を施す時に「マスク」を利用します。
色調を変化させたい部分以外を黒くしたマスクフィルムを重ねて光をさえぎりながら 必要な部分だけを補正します。ここでは、「覆う」「隠す」という語意に近いでしょうか。
今、世界中で利用されている「mask」は、「守る」という意味となり、
道化者だったあの子が、ついに正義の味方に成長したのだと感慨のあまりナミダしているところです。
- マゼンタ(マジェンタ、magenta)
印刷の4原色の一つです。
印刷業界では、藍(シアン)紅(マゼンタ)黄(イエロー)墨(ブラック)を総じて「プロセスカラー」と呼びます。
印刷する順番は、基本的にはブラック版・シアン版・マゼンタ版・イエロー版となります。フランスの化学者フランシス・バルカンは赤色の織物染料を生成し、
1859年に大規模な染色工場を開設しました。貴婦人のイヤリングとも呼ばれる赤紫の花「フクシア」によく似た鮮やかな色でした。
同じ年、フランスのパトリス・ド・マクマオン将軍は、
イタリアのミラノ近郊で、イタリア(サルデーニャ王国)軍と共に
オーストリア=ハンガリー帝国軍を相手に戦っていました。第二次イタリア独立戦争の先駆けでした。
マクマオン将軍はこれに勝利。
戦勝地マジェンタ(Magenta)の公爵に叙せられました。戦勝を記念し、同じ年にパリ市街に完成した通りは「マゼンタ通り」と命名。
戦闘時、フランス軍が着ていた軍服の赤紫色はマゼンタと呼ばれるようになりました。バルカンが生成した赤色の染料も「フクシア」と呼ばれたり、または「マゼンタ」と呼ばれたり。
やがて、時はたち 今、印刷現場で使用している基本の4色、 シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック。
このマゼンタの名前の由来がイタリアの独立と関わっていたのですね。 ちなみに、マゼンタ通りは、今もパリ東駅のすぐ近くにあります。