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#16 切実なる思いとともに、ユニバーサルデザイン

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※本記事は、2013年当時に配信したメールマガジンを、ホームページ掲載用に一部表現を整えたものです。

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喜劇王チャールズ・チャップリン(1889年-1977年)が活躍した時代には、現在のような「ユニバーサルデザイン」という概念は、まだ一般化していませんでした。

チャップリンが喜劇映画を制作した時代は、音声のないサイレント映画から、声を発するトーキー映画へ移行する時代でもありました。
チャップリンは、世界中の人に自分の作品を楽しんでもらいたいという思いから、長くサイレント映画にこだわりました。

彼は、パントマイムこそが世界共通語だという信念を持っていたからです。

国籍や人種を問わず、すべての人に楽しんでもらいたいという思いこそが、ユニバーサルデザインの思想にも通じる原点なのではないでしょうか。

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さて、ユニバーサルデザインのお話です。

人は誰でも、年齢を重ねるごとに身体機能にさまざまな変化が生じます。

こんなことがありました。

スマートフォンで受信したメールを見ながら、コンビニ用の端末に何桁かの管理番号を入力しようとした時のことです。
間違いなく入力したつもりが、何度やってもエラーになります。

目を見開いてメールを確認しますが、「8」が「6」に見えたり、また「3」に見えたり、見れば見るほど分からなくなってきます。

加齢による視力の変化ですね。

名刺を見てメールアドレスを入力しようとする時、「S」と「3」の区別がつきにくくなったことはありませんか。

今、これを読まれている方が若くて元気でも、いつか通る道です。
誰にとっても無関係ではない課題だといえるでしょう。

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いろいろな企業が、ユニバーサルデザインに取り組んでいます。

「6」の字体を少し変化させて、「8」や「3」との判別をしやすくする。
こうした工夫のひとつが、ユニバーサルフォント、いわゆるUDフォントという方法です。

2006年に松下電器産業株式会社、現在のパナソニック株式会社が、株式会社イワタと共同開発した「イワタUDフォント」が最初です。

OA機器の表示やリモコンの表示に利用されました。

その後、株式会社モリサワのUDフォント、大日本スクリーン製造株式会社のヒラギノ版UDフォント、株式会社タイプバンクのUD書体シリーズ、株式会社モトヤのUD対応フォントなどが出てきました。

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現在、UDフォントが有効に利用されているものとしては、次のようなものがあります。

・役所、病院、公共施設などの手続き用紙
・機器メーカーの取扱説明書
・薬品会社や食品会社の成分表
・金融会社、保険会社の約款や説明書類

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ユニバーサルデザインの本来の考え方は、年齢、性別、障害の有無、国籍の違いに関わらず、できるだけ多くの人が利用できるようなデザインにすることです。

簡単に言うことはできますが、実践するには非常に難しいテーマです。
あらゆる人が利用できる条件を満たそうとすると、本来のデザインから、かなりかけ離れた仕上がりになる場合もあります。

そこで、制作物がどのような人を対象とするのかを、ある程度整理する必要があります。

例えば、視覚の弱さのレベル、聴覚の弱さのレベル、どこの国の人を想定するのか、障害のある方への配慮をどこまで行うのか、左利きの方を含めるのか、妊産婦を含めるのか。
こうしたいくつかの条件を切り分けたり、組み合わせたりして企画することが大切なのかもしれません。

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当社には、UCDA、一般社団法人ユニバーサル コミュニケーション デザイン協会の認定資格を取得したデザイナーが在籍しています。

印刷物におけるユニバーサルデザインの外部認証取得をお手伝いすることができますので、ご興味のある企業様はお問い合わせください。

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チャップリンがサイレント映画からトーキー映画へ移行する時代の中で、自身の声を印象的に聞かせた作品が「モダン・タイムズ」でした。

物語の途中で、一部だけチャップリンが声を発するシーンがあります。
観客は、どんな声で話すのだろう、やはり英語で話すのだろうかと期待を込めて、そのシーンが来るのを待っていました。

その声は、歌でした。

やはりチャップリンの作品は、世界共通語でした。
彼がそのことに強くこだわっていたことが伝わってきます。
トーキー映画でもこの方法があったのかと、改めて納得させられます。

まだご覧になっていない方のために、これ以上ディテールに触れることは避けましょう。

実際にご覧いただき、笑いと感動とともに、チャップリンの思いをしっかりと受け止めていただくのがよいかと思います。