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切り取りミシンのトラブル対策(ビジネスフォーム)

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切り取りミシンのトラブル対策

切り取りミシン加工は、ビジネスフォームの品質を左右する繊細な加工技術です

プリント処理の現場では、切り取りミシンでの苦労を経験されている方も多いのではないでしょうか。 ミシンが原因となるトラブルは、帳票の使いやすさやプリント後の作業効率に大きく関わります。

  • 01 切り取りにくい
  • 02 ミシン部分で裂けてしまう
  • 03 ミシン部分の折り目がプリンター内で引っかかる
  • 04 プリントアウト時に元のように畳めず、乱雑に折り重なる

ビジネスフォームの製造とは、「切り取りミシン」を改良し続けること。 そう言ってもよいほど、ミシンはデリケートで高度な技術によって加工されています。

今回は、そのような「切り取りミシン」のトラブルと対応方法についてご案内いたします。

まず、切り取りミシンをおさらいすると

ビジネスフォームには、横ミシンと縦ミシンがあります

ビジネスフォーム(以下、「フォーム」といいます)には、横に入っているミシンと、縦に入っているミシンがあります。 それぞれ役割が異なり、帳票の切り離しやプリンターへのセットに関わる重要な加工です。

ビジネスフォームサンプル
横ミシン

帳票単位で切り離すためのミシン

横ミシンは、帳票単位で切り離すために使用します。 刃は薄く長細い板のような形状で、横ミシン胴(シリンダー)にボルトで取り付けます。

縦ミシン

フォーム両端を切り離すためのミシン

フォームの両端には、帳票用プリンターの送り装置にセットするための穴が縦に並んでいます。 縦ミシンは、その端の部分を切り離すためのミシンです。

横ミシンの刃

横ミシンの刃は、薄く長細い板のような形状になっています。 これを横ミシン胴(シリンダー)にボルトで取り付けます。 締め付けが緩かったり、歪みが生じたりすると、ミシンの入り方が甘くなる場合があります。

当社では、一定の力で締め付けるために、必ずトルク付きスパナを使用する規定となっています。 また、横ミシンは一定回数を使用すると交換します。

横ミシンの刃
セットされた横ミシン

縦ミシンの刃

縦ミシンの刃は円盤状になっています。 ミシン刃は使用するほど鈍ります。縦ミシン刃は20〜30回ほど研磨して使用できますが、研磨回数が増えると刃先までの長さが短くなり、それに伴ってカット部も短くなります。

当社では基準値を決め、それ以下になると使用を中止する廃棄規定を設けています。

縦ミシンの刃
セットされた縦ミシン

切れやすさを調整する方法

切れやすさは、カット部とアンカット部の比率で調整します

ミシンを切り取りやすくしすぎると、少しの力でミシン目から裂けてしまいます。 そのため、切れやすさの程度が非常に重要です。

ほど良い切れやすさは、用紙の厚みやパーツ数(複写枚数)によって変わります。 また、プリンターの機種によっても適した仕様は変わります。

ミシンの切れ方のバランスは、カット部とアンカット部の比率で調整します。 つまり、切れている部分と切れていない部分のバランスです。

カット部とアンカット部の説明図

当社では、上質紙の場合はカット部2mm:アンカット部0.8mmなど、パーツ数、複写枚数、封筒加工などの条件ごとに基準を設けています。 さらに多様な条件に対応するため、縦ミシンは約65種類、横ミシンは約60種類の比率違いのものを常備しています。

さらに、切れやすい横ミシンを加工する方法として、紙の両端に切れ目を入れる方法があります。 通常はミシン目から裂けてしまわないように両端を留めておくのが基本ですが、切れやすくする手段としてこの方法を採ることがあります。

紙端をカットする図

縦と横の強さのバランス

片方のミシンだけを切れやすくしても、トラブルにつながる場合があります

ある帳票では、縦ミシンが切れやすくなっていたため、横ミシンで切り離そうとした際に用紙が引っ張られ、縦ミシンが裂けるという現象が発生しました。

縦ミシンには、ほど良い硬さも必要です。 このケースでは、カット部とアンカット部の比率を調整することで、問題を解消することができました。

また、縦ミシンと横ミシンの交差部で、横ミシンの刃を削ってアンカットにする方法が有効な場合もあります。

ミシン加工では、「切れやすいこと」だけが正解ではありません。 切り離しやすさと、プリンター内で裂けにくい強さの両立が重要です。

1mm以下の「マイクロミシン」

マイクロミシンは、わずか0.1mmの違いで状態が変わる繊細な加工です

用紙を切り離しやすいミシンに「マイクロミシン」があります。 カット部、アンカット部のどちらも1mm以下という、非常に繊細なミシンです。

ある帳票では、厚めの用紙にマイクロミシンを加工したところ、ミシン目で紙が割れてしまう現象が発生しました。 カット部0.8mm:アンカット部0.2mmを、アンカット部0.3mmに変更することで、この問題を解消することができました。

アンカット部をわずか0.1mm変更するだけで解決するほど、ミシン加工には繊細なバランスが求められます。

生産部での確認風景

ミシン目の取り扱い方

手の持ち方を少し変えるだけでも、切り離しやすくなる場合があります

電化製品に「取扱説明書」があるように、ビジネスフォームにも「取扱説明書」があってもよいかもしれません。 帳票を切り離す際には、手の持ち方に少しご注意いただくだけで、トラブルを解消できる場合があります。

STEP 01 用紙を固定する

まず、利き手でない方の手を下の帳票の端に添えて、用紙を固定します。

STEP 02 帳票上部の端を持つ

利き手は、帳票の上部の端の方を持ちます。

STEP 03 紙端から力を伝える

紙端からミシン部に力が伝わるように、上方へ丁寧に引っ張って切り離します。 横ミシンで折り目をつけると、さらに切り離しやすくなります。

帳票の切り方の説明

お急ぎの時でも、落ち着いてこの方法で切り離していただくことをおすすめします。 ミシン目の切れやすさは、お客様の感じ方によっても差があります。 切れにくいと感じる場合は、お気軽に当社の営業担当者へご相談ください。

切り取りミシンは、ビジネスフォーム製造における永遠の課題です

製造現場では、日々ミシン加工の品質向上に取り組んでいます

今回は、「切り取りミシンのトラブル対策」についてご案内しました。 ミシンの切れやすさ、裂けにくさ、プリンター内での走行性、折り畳みやすさは、いずれも帳票の使いやすさに直結します。

当社の工場では、日々この問題と向き合いながら、用紙、加工条件、プリンター環境、使用方法に合わせた調整を行っています。

工場での確認風景
AUTHOR 尼丁 学 (株)コーユービジネス

切り取りミシンにも、実はかなり繊細な「取扱説明」があります。 切れすぎても困り、切れなくても困る。まるで機嫌を見ながら付き合う相手のようです。

とはいえ、帳票には「笑って許してね」とは言えません。 だからこそ、当社では現場での調整と確認を重ね、できるだけ扱いやすいビジネスフォームづくりに取り組んでいます。