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#42 労働力不足に知恵を絞ろう!

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※本記事は、2017年当時に配信したメールマガジンを、ホームページ掲載用に一部表現を整えたものです。

◆◆◆◆◆◆

生産年齢人口、つまり15〜64歳の働き手の不足が、大きな問題になっています。

解決方法は、大きく二つあります。

労働力を増やす。
生産性を上げる。

これが簡単なようで、実はとても難しいのです。

一人あたりの労働時間を増やせばよい、という考え方では、かえって社員の負担が大きくなり、人材の定着にも悪影響を及ぼしかねません。

長時間労働や休日の取り扱いを誤れば、法令違反や企業イメージの低下にもつながります。

誰もが働きやすい会社にすることが、本当の近道です。
無理をして近道をしようとすると、かえって事故に遭うようなものです。

そして、もうひとつが無駄を省いて生産性を上げること。
さらに、IT技術などを活用して生産性を高めることです。

各社が、全力でこの課題に取り組んでいます。

では、各社はどのようなIT技術で取り組んでいるのでしょうか。

【コンビニ無人化への取り組み】
経済産業省は、人手不足を補うために「無人コンビニ」の導入実験を行っています。

商品に貼り付けられたICタグを、非接触で読み取る仕組みです。
年明けから、ローソンの店舗で実験を始めています。

3年以内に実用化し、2020年の東京オリンピックに間に合わせる計画です。

――東京オリンピックのテーマのひとつは「おもてなし」です。
労働力不足の中で、人が接客やサービスに集中するためには、定型的な作業を省力化することも重要になります。
無人化は、人の仕事をなくすためだけではなく、人が担うべき役割に力を注ぐための取り組みでもあるのだと思います。

コンビニ

カジュアル衣料ブランドのGUも、セルフレジを20店舗で導入しています。

お客様が商品をボックスに入れると、ICタグが瞬時に読み取られます。
画面には商品名、価格、合計金額が表示され、内容を確認できます。

ICタグは高価な印象があります。
商品に貼るにもコストがかかりそうですし、コンビニのように商品単価が低い業態では、費用面で難しいのではないかとも感じます。

そこで調べてみると、大日本印刷株式会社のニュースリリースに、RFIDの価格について次のような内容が記載されていました。

現在のRFIDの価格帯は10円台で、そのコストが導入の障壁となっています。
こうした状況に対して、DNPは2020年までに単価5円以下、2025年に1円のRFIDの実現を目指しているとのことです。

RFIDとは、電波を使ってタグの情報を読み取る技術です。
ICタグを活用した仕組みの一つとして、物流や小売の現場での活用が期待されています。

コスト面のロードマップも、少しずつ見えてきているようです。

【Amazon Goが示す新しい店舗モデル】
米Amazonが運営する次世代型の無人店舗「Amazon Go」は、レジが存在しません。

お客様が商品を持ってお店の外に出ると、自動的にインターネット上で課金されるという仕組みです。

AI、つまり人工知能が、複数のカメラで商品を認識し、画像データベースと照合しています。
店内には、相当な数のカメラやセンサーが設置されているのでしょう。

Amazonが得意とするのが、レコメンデーション・システムです。
お客様の閲覧履歴や購入履歴をもとに、関連商品をおすすめする仕組みです。

一度ある商品を見ただけで、関連する商品が次々と表示されることがあります。
それほど、顧客の行動データを細かく分析しているということです。

お客様の好みや購入履歴から、先読みした在庫管理も可能になります。
また、お客様の現在地から店舗まで誘導することもできますから、立地戦略にも変化が生まれるかもしれません。

「Amazon Go」の利用条件は、専用アプリが必要であること、電子マネーまたはクレジットカード決済であることです。
この点は、利用者にとって少しハードルになるかもしれません。
今後の課題となりそうです。

――「Amazon Go」は、流通業界に大きなインパクトを与える存在として注目されています。
無人店舗という新しいモデルが、既存の小売業にどのような変化をもたらすのか。
今後の展開が気になるところです。

【ファミリーマートの無人化戦略】
ファミリーマートが考える無人化は、Amazon Goとは狙いが大きく異なります。

おにぎりやお弁当の自動販売機です。

設置場所が戦略的です。
高層オフィスビル、地下鉄の構内、高速道路のパーキングエリアなど、コンビニに行きづらい場所へ設置します。

――本来のコンビニエンス、つまり「便利さ」をさらに尖らせた企画ですね。
不便な場所で、お店と同じような商品が買えるのは、確かに便利です。
この「少し便利」のさじ加減が上手だと思います。

【マクドナルドのタッチパネル・オーダー・システム】
マクドナルドが、セルフレジの導入に向けて実験を開始しています。

お客様がタッチパネルで注文すると、オーダーが厨房に届きます。
お客様はカウンターでレシートを渡し、商品を受け取ります。

注文を受ける人員を減らすことができます。
注文を聞き違えることも少なくなります。

――タッチパネルは、ほかの飲食店でも経験済みの方が多いので、抵抗なく使えそうです。
お客様が自分の間合いで注文できるのも良いところです。
対面だと少し慌ててしまい、つい同じものばかり注文してしまうこともありますから。

ハンバーガー

【すかいらーくのセルフレジ】
株式会社すかいらーくは、レジ作業の時間を減らすために、セルフレジの導入テストを実施しています。

「ジョナサン」「ガスト」「バーミヤン」などでテストしています。

お客様は出口にあるATMのような機械で、伝票のバーコードをリーダーでスキャンします。
会計金額が表示され、支払い方法を選択します。

クレジットカードか電子マネーが選べます。
現金払いは、有人レジでの対応となる場合もあるようです。

レンタルソフト店「ゲオ」にも、セルフレジが登場しています。
無印良品、ソフト販売店HMVなどでも、試験導入が進められています。

【建設現場の無人化技術】
日本建設業連合会によると、2014年に343万人いた技能労働者の数は、2025年には216万人に減ると予測されています。

国土交通省はこれを問題視し、昨年、2016年を「生産性革命元年」としました。
解決策として、IT技術を活用した生産性向上を促進しようとしています。

鹿島建設株式会社は、建設機械の自動化技術「クワッドアクセル」を開発しました。

大分川ダム工事では、日本初となる自動ダンプカーの導入試験を実施。
「運搬」と「荷下ろし作業」の自動化に成功しました。

操作はタブレットで行います。
設定をすれば、自動ブルドーザ、自動振動ローラも連動し、運搬から整形、転圧といった一連の作業を繰り返し行うことができます。

――大型機械をタブレットで操作するなんて、SFの世界が現実になってきたようです。
かつてのロボットアニメでは、少年がリモコンで巨大ロボットを操作する場面がありました。
今では、それに近いことが建設現場で実用化されようとしているのですから、技術の進化には驚かされます。

国土地理院では、ドローンで測量ができるように「公共測量マニュアル」を作成し、測量業者が安全に実施できる環境を整えています。
これにより、測量分野でも生産性向上が期待されています。

ショベルカー

【危機こそが好機】
2025年には、日本の人口は約1億2,114万人まで減少し、生産年齢人口が7,000万人まで落ち込むと予測されています。
国立社会保障・人口問題研究所による推計です。

日本を追いかけるように、世界中の国々でも高齢化が進んでいます。

今こそ、「現代の産業革命」が必要です。

18世紀半ばに起こった産業革命は、機械化によって世界を大きく変えました。
機械化を促進した背景には、精密な機械技術に長けたスイスの時計職人の存在もあったといわれています。

イギリスに端を発した産業革命は、やがて世界中に広がりました。

現代の産業革命を担うのは、IoT、認識技術、ビッグデータ、ドローンを使いこなすIT技術者たちです。

今、日本がこの危機を乗り越え、日本の企業や技術者が世界の課題解決に貢献する存在になってほしいと強く思います。

日本人

【参考】
ライブドアニュース「ローソンが『無人コンビニ』の実験をスタート 東京オリンピックへ向け」
日本経済新聞「東京五輪で無人コンビニ 電子タグ導入実験」
ライブドアニュース「ユニクロ系企業でセルフレジ導入へ 『究極の人員削減』が始動?」
ダイヤモンド・オンライン「無人コンビニ『Amazon Go』は日本の流通業界を席巻するか」
あさがくナビ「『無人ファミマ』倍増予定 ニーズは街の中にある」
exciteニュース「マクドナルドのセルフレジ導入実験に絶賛の嵐」
オトナンサー「ファミレス初の『セルフレジ』は業界に何をもたらすのか すかいらーくGが試験導入」
ライブドアニュース「ゲオ、無人の自動レンタル機『GEO BOX』開始」
産経ニュース「建設現場、進む自動化 技能労働者の高齢化進み『成り立たなくなる』 鹿島、ダム工事に無人ダンプ投入」

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