あっ!複写伝票の印字が消えた!
複写伝票の印字が消える主な原因と対策
請求書や申込書などに使用される複写伝票では、保管中に文字が薄くなったり、消えたりすることがあります。
金融機関などで使用される複写紙には、裏面に黒いカーボンが付いているものがあります。 一方で、申込用紙や請求書などでは、手が汚れにくい「ノーカーボン紙」が広く使用されています。
ノーカーボン紙は便利な用紙ですが、発色した文字が特定の物質や保管環境の影響を受けて退色する場合があります。 帳票の内容が読めなくなると、確認作業や保管書類の管理に支障が出る可能性があります。
今回は、ノーカーボン紙の文字が消える原因と、保管時に注意したいポイントをご紹介します。
ノーカーボン紙とは
カーボン紙を使わずに複写できる、伝票用紙の一種です
ノーカーボン紙とは、カーボン紙を挟まなくても、筆記や印字の圧力によって下の用紙へ内容を複写できる用紙です。 請求書、納品書、申込書、作業伝票など、複数枚に同じ内容を残す必要がある帳票で使用されています。
従来のカーボン紙と比べて、手や書類が汚れにくいことが特徴です。 ただし、ノーカーボン紙は薬剤の反応によって発色するため、通常の紙とは異なる取り扱い上の注意点があります。
ノーカーボン紙は、発色した文字が外部要因の影響を受ける場合があります
薬剤の化学反応によって発色しているため、油分、アルコール類、洗剤、直射日光、高温などの影響で文字が薄くなったり、判読しづらくなったりすることがあります。
ノーカーボン紙はどうして下の紙に写るのか
圧力によって薬剤が反応し、下の用紙に文字が発色します
ノーカーボン紙は、上用紙・中用紙・下用紙という3種類の紙で構成されています。 上用紙の裏面にはマイクロカプセルが塗布されており、その中には無色染料が入っています。 下用紙の表面には顕色剤が塗布されています。
上用紙の上からボールペンで文字を書いたり、ドットプリンターで印字したりすると、 その圧力でマイクロカプセルが壊れ、無色染料が出ます。 その染料が下用紙の顕色剤と反応することで、文字や数字が発色します。
裏面にマイクロカプセルを塗布
筆記や印字の圧力によってマイクロカプセルが壊れ、無色染料が下の用紙へ移ります。
複数枚の複写に対応
上からの圧力を受けながら、さらに下の用紙へ発色の仕組みをつなぐ役割があります。
顕色剤によって発色
上用紙から出た無色染料と反応し、筆記内容や印字内容を発色させます。
印字が消える原因
発色している文字は、特定の物質や環境によって退色することがあります
ノーカーボン紙の文字は、薬剤の化学反応によって発色しています。 そのため、別の化学的な影響を受けると、発色した文字が薄くなったり、消えたりする場合があります。
たとえば、事務作業中に手のひらが触れた部分だけ印字が消えていたという事例があります。 この場合、手に付着していたハンドクリームの成分が影響した可能性があります。 中性洗剤でも、同様に退色が起きる場合があります。
ノーカーボン紙を扱う際は、筆記や印字後の内容だけでなく、保管中に接触する物質にも注意が必要です。
油分の付着
ハンドクリーム、食用油、工業用油などが付着すると、発色文字が退色する場合があります。
溶剤・アルコール類の接触
アルコール類や有機溶剤などは、ノーカーボン紙の発色部分に影響を与える可能性があります。
事務用品との接触
セロテープ、朱肉、塩ビ系クリアホルダーなどの素材や成分が退色の原因になる場合があります。
高温・直射日光
直射日光や高温環境に長期間置くと、文字が薄くなったり、発色しにくくなったりすることがあります。
退色しやすい物質
身近なものにも、退色の原因になる物質があります
下記は、ノーカーボン紙の発色文字に影響する可能性がある物質の例です。 すべての条件で同じ結果になるとは限りませんが、帳票を扱う際には接触を避けることをおすすめします。
工業用油
食用油
建材
アルコール類
事務用品
その他
上記以外にも、直射日光や高温環境に長時間さらされることで、発色しにくくなったり、印字文字が退色したりする場合があります。
保管時の注意点
長期保管する帳票は、用途に応じて用紙を選ぶことが重要です
請求書や申込書などの帳票は、法令や社内規程に基づき、一定期間の保管が必要になる場合があります。 そのため、保管中に文字が読めなくならないよう、用紙の特性に合わせた管理が必要です。
ノーカーボン紙は、日常的な複写帳票として便利な一方で、特定の物質や環境に弱い面があります。 長期保管を前提とする帳票では、裏カーボン紙を使用するなど、用途に応じて仕様を分けることも有効です。
油分や洗剤を近づけない
ハンドクリーム、食用油、洗剤などが付着しないよう、作業環境や保管場所に注意します。
塩ビ素材との接触を避ける
塩ビ系クリアホルダーなどに直接入れて長期間保管すると、退色につながる場合があります。
直射日光・高温を避ける
日光が当たる場所や高温になりやすい場所での保管は避け、安定した環境で保管します。
長期保管用途は仕様を検討する
長期保管が必要な帳票では、ノーカーボン紙と裏カーボン紙の使い分けを検討します。
複写伝票は、使用時だけでなく、保管後に内容を確認できることも重要です。 帳票の用途や保管期間に合わせて、適切な用紙と保管方法を選ぶことが大切です。