品質を支える現場での取り組み
制作現場(九州工場)での取り組み
当社の大阪工場・九州工場では、品質マネジメントシステムの国際規格「ISO 9001」の認証を取得し、品質管理の継続的な改善に取り組んでいます。
今回は、九州工場でDTP・版下制作を担当するスタッフに、日頃の品質管理や検版、ISO 9001を通じた業務改善、大阪工場との情報共有などについて話を伺いました。
INTERVIEWEE
生産管理部 製版グループ DTPチーム
灰塚さん
チームリーダー / DTPオペレーター
ビジネスフォームのDTP制作をはじめ、版下データの作成・修正、入稿データのチェックなどを担当。 約20年にわたって制作現場に携わり、九州工場の品質を支えています。
データチェック
品質を支える5つの取り組み
主に担当している業務と工場での役割について教えてください。
主にビジネスフォームのDTP制作業務を担当しています。
営業担当から受け取った指示原稿をもとに、新規の版下データの作成や、既存の版下データの修正を行っています。 また、お客様から入稿されたデータに不備がないかを確認するデータチェックも行っています。
制作したデータは、文字や内容、レイアウトなどに間違いがないかを何度か校正します。 その後、お客様から校了をいただいたデータを、印刷工程で使用できる印刷データに仕上げます。
「Desktop Publishing(デスクトップパブリッシング)」の略で、パソコンを使って文字や画像を配置・編集し、印刷用のデータを制作する作業のことです。
印刷物を作る際に、製版や印刷のもととなる最終的な原稿・データのことです。
もともと「版下」は、DTPが普及する以前に、紙の台紙へ写植文字や写真、図版などを配置し、製版用の原稿として仕上げたものを指していました。
現在では、こうした作業の多くがパソコン上で行われており、IllustratorなどのDTPソフトで制作した印刷用データや、印刷用に書き出したPDFなどを「版下」または「版下データ」と呼ぶことがあります。
製品の品質を維持するために、日頃の業務で特に重視していることは何ですか。
DTP業務では、お客様のご要望や指示内容を正確に印刷データへ反映することを特に重視しています。 制作したデータは、まず担当者自身が指示原稿と照らし合わせながら、制作・修正内容に間違いがないかを確認し、その後、校正・検版担当者による二重チェックを行っています。
担当者自身での「あおり検版」に加えて、九州工場ではデジタル検版ソフトも活用しています。 特に修正作業では、前回のデータと今回のデータを比較し、修正箇所以外に文字の抜けや修正漏れ、画像のズレ、色調の変化など、意図しない差分が生じていないかを機械的にチェックします。
検版作業は、20年以上にわたり品質管理や検版業務に携わっている担当者が行っており、長年培ってきた経験や知識による目視確認と、デジタル検版による機械的なチェックを組み合わせています。 人の目とシステムの両面から確認することで、ミスを未然に防ぎ、安定した品質の維持につなげています。
デジタル検版ソフトを使用して二重チェックを行います。出力されたエラーレポートをもとに、目視だけでは見落としやすい差異や不備についても確認します。
修正前と修正後の版下データを重ね合わせ、交互に見比べながら差異を確認する検版方法です。 特にデジタル上で行うあおり検版では、細かな位置ずれや形状の変化などを視覚的に確認できます。
ISO 9001の運用を通じて、改善した業務や見直した仕組みはありますか。
ISO 9001の認証を通じて、特に変わったのは、これまで経験や個人の判断に頼っていた部分を明確な基準として整備し、誰が担当しても一定の品質を維持できる仕組みづくりを進めたことです。
具体的には、マニュアルや作業基準書を整備し、データの作り方や下版作業の流れ、確認項目などを統一しています。 教育についても、マニュアルなどをもとにリーダーが指導し、個人ごとの教育計画や力量向上シートを活用しながら、必要な知識や技術の習得を進めています。
また、不具合やヒヤリハットが発生した場合は、その内容を記録として残すとともに、朝礼や社内の情報共有ツールを通じて原因や対策を共有しています。 九州工場内だけでなく他の拠点にも情報を展開し、同様のミスを繰り返さないための再発防止につなげています。
製版工程でも、制作データに不備があった場合は、制作担当へフィードバックを行っています。 データとオーダー内容の照合を含めてチェック方法を見直し、改善内容をルールとして定着させることで、作業のばらつきを抑え、品質の平準化を図っています。
さらに、こうした品質管理の仕組みや運用状況について外部監査による客観的な評価を受けることで、自社の品質管理体制を社外に対しても具体的に示せるようになったと感じています。
九州工場と大阪工場では、品質に関する情報や改善事例をどのように共有していますか。
大阪工場と九州工場では、品質に関する情報を日常的に共有しながら、できるだけ同じ基準で業務を行えるように取り組んでいます。
九州工場では、大阪工場でISO 9001に基づいて運用してきた品質管理の基準や仕組みを取り入れながら、作業方法やルールの見直しを進めてきました。 単純に大阪工場のやり方に合わせるだけではなく、一度共通の基準を設けたうえで、実際の運用を通じて課題を確認し、より良い方法へ改善を行っています。
両工場の情報共有には、定期的な連絡会議や社内チャット、電話などを活用し、生産管理や営業担当者も交えながら品質上の課題や改善内容を共有しています。 また、基幹システムやオーダーの運用についても共通化を進め、生産工場が異なっても同じ基準で作業や確認ができる体制づくりを進めています。
品質上の問題やクレームが発生した場合には、報告内容を全拠点へ共有し、原因を確認したうえで是正処置や再発防止策を検討します。 改善事例についても拠点内だけで完結させず、全社的に展開することで、会社全体の品質向上につなげています。
今後、品質管理について強化したいことや、お客様へ伝えたいことを教えてください。
制作現場では、製品を実際に手に取るエンドユーザーを意識したものづくりを重視しています。
品質というと、文字やデータに間違いがないことや、指示どおりに製品を仕上げることが基本になります。 しかし、それだけではなく、その先にいるお客様やエンドユーザーにとって、見やすく、使いやすく、分かりやすいものになっているかという視点も大切だと考えています。
実際に、制作したものを利用された方から直接評価をいただく機会もあり、最終的に製品を使う方の反応を知ることの大切さを改めて感じました。
DTPや版下制作といった自分たちの担当工程だけにとどまらず、完成した製品がどのように使われるのかまで考えながら、今後もよりお客様の満足につながる品質を目指して取り組んでいきたいと思います。
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